XR Street Lens in Obiyamachi
国交省 四国運輸局様と描く、観光DXの新しい街歩き体験
前編
お取り組みの背景と概要
国土交通省 四国運輸局が実施する「XRを活用した訪日外国人旅行者受入環境整備調査事業」において、XRサービス『XR Street Lens in Obiyamachi』を開発しました。2025年9月3日(水)から高知市中心市街地・帯屋町商店街にて、スマートフォンを対象店舗にかざすと、店員がXR技術によって出現し、イチオシ商品やサービスを多言語で紹介し購買意欲を促進させる体験を提供しました。
本記事では、導入の背景や経緯、こだわりのポイント、来訪者の反応などについて、四国運輸局様と帯屋町商店街 協同組合帯屋町筋様にインタビューを通して本施策の魅力をお伺いしました。
導入団体様のインタビュー
高知市中心部に位置する帯屋町商店街は、観光客が高知城へ向かう導線上にあるエリアの一つです。高知市は連日クルーズ船が寄港し、多くの訪日外国人観光客が訪れる一方で、店舗の前を通っていても、そのまま通り過ぎてしまうケースが多いという課題がありました。
四国運輸局としても、訪日外国人観光客に対して、いかに分かりやすく情報を届けるかという点が重要なテーマとなっており、従来のパンフレットや看板だけでは十分に伝えきれない、そういった課題に対する新たなアプローチとして、XRを活用した取り組みが実施されました。
【Q】今回、XRを用いた取り組みの実施に至った背景を教えてください
高知には訪日外国人観光客がいらっしゃる一方で、来店や消費に十分つながっていないという課題がありました。また、目的のお店が見つけにくい、店舗の情報が分かりにくいといった状況もあり、観光客への情報提供のあり方に課題があると感じていました。
パンフレットや看板などで情報は出しているものの、見てもらえなければ意味がない。そのため、より分かりやすく、興味を持ってもらえる形で情報を届ける手法として、XRに可能性があると考え、今回の取り組みを行いました。
【Q】SoVeCのXRソリューションを採用された理由は何だったのでしょうか?
XRという技術自体の可能性は感じていましたが、その中でもSoVeCの提案は、技術面の精度の高さはもちろん、観光施策としての完成度が高かった点が大きかったです。
具体的には、店舗前でスマートフォンをかざすと店主が登場する、おすすめ商品がその場で分かる、抽選などの仕組みもあるといった形で、単なる情報表示ではなく、「街の主役である店主の顔が見える」体験になっている点、観光客の興味を引き、行動につなげる設計になっている点が印象的でした。
また、訪日外国人を対象とする上で、旅先で新しいアプリをダウンロードしてもらうのは高いハードルになります。しかし、今回の提案はアプリ不要のウェブベース(WebAR)で提供できるため、あらゆる国から来られた方々に手軽に体験してもらえるという点も、施策を推進する上で大きな魅力でした。
単なるXRの表現ではなく、どうすれば街を回遊してもらえるかまで設計されていたことが、採用の決め手となりました。
【Q】実際に導入してみて、どのような手応えがありましたか?
実際に体験してみて、まず非常に興味深いと感じました。それに加えて、観光客がその場で足を止め、興味を持つきっかけになっているという点は大きな手応えでした。
エリア内を回遊するきっかけになっているという点でも、効果を感じています。また、従来のAR施策のようにQRコードなど特定の起点を探して読み込むのではなく、街の中でスマートフォンをかざすことで、その場所に紐づいた情報が立ち上がるという体験は、観光との相性が非常に良いと感じました。
「街をかざす」という行為そのものがエリアの回遊や興味喚起に自然につながるような体験になっていると感じました。特に今回は、アプリ無しでウェブによる提供ができたことも、体験を後押ししてくれたと思います。実際に体験した外国人の方々からも、「街をかざすだけで、目の前にコンテンツが現れた!」と、驚きとともに喜んでいる声が多く、大きな手応えを感じています。
一方で、購買という点では今後の工夫の余地はあるものの、「興味を持つ」「歩く」「店を知る」という流れが生まれていること自体は、今回の取り組みの大きな成果だと考えています。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です
【Q】これまでの観光施策と比べて、XRの特徴はどこにあると感じましたか?
一番の違いは、XRをただの3Dの情報提供手段として捉えるのではなく、街の主役でもある店の人たちにもスポットを当てた体験にできたことだと思います。
スマートフォンをかざすことで、店舗の情報、店主の存在、商品の特徴がその場でわかる。これは従来の施策にはなかった体験であり、街の魅力の伝え方が変わる仕組みになっていると感じています。
【Q】今回の実証を通して、XRの可能性をどのように感じられましたか?
その場所に行って体験することで、その場に紐づいた情報が気軽に理解できるという点は、観光との相性が非常に良いと感じています。また、街を歩くこと自体が体験になるという点でも、今後の観光施策としての可能性を感じています。
加えて、イベント感やお祭り感をうまく組み合わせることで、さらに体験率を高められる余地があるとも感じました。
【Q】今回の実証を踏まえて、今後どのような活用が考えられると感じられましたか?
今回の実証を通して感じたのは、その場に行き、スマートフォンをかざすことで簡単に情報が伝わる仕組みは有効だということです。特に、店舗の特徴やおすすめ商品が現地で視覚的に分かるという点は、観光との相性が良いと感じました。
こうした仕組みをベースに、現地での案内の工夫やイベントとの組み合わせを行うことで、さらに活用の幅が広がる可能性があると思います。
また、高知と同じ課題感を感じている他の自治体や街も、このような取り組みを活用し、より魅力的な観光体験を提供していける可能性を感じています。
本施策を実施した商店街の変化について
本施策の実施の場となった帯屋町商店街で、どのような変化や手応えがあったのか。
後編の商店街組合様へのインタビューをご覧ください。